太陽光発電と言っても種類は1つだけではなく、家庭用(住宅用)と産業用(業務用)に大きく分けられます。では、その2つの違いは一体何なのでしょうか。家庭用は発電容量が10kW未満で発電した電力を自分の家の中で使い、余った電力を売る余剰買取制度を利用するのに対し、産業用では作った電力を自分たちの所では使わずに全て売電する全量買取という制度を利用する場合がほとんどです。学校やビルの屋上などの普段は使われない余った場所に太陽電池モジュール(ソーラーパネル)を設置し、発電した電気を売ることで利益を出そうという試みです。発電は、天候が良ければ毎日行われるため1日1日の売電金額利益はわずかでも、積み重なれば大きな利益になるでしょう。しかし、産業用太陽光発電システムの導入を検討する場合、気をつけなければいけないことがいくつかあるのでご紹介していきます。
どのような工事をする際にも言えることですが、施工には信頼のおける業者を選びましょう。産業用の太陽光発電は最低でも全量買取の期間である20年は発電事業を継続するものです。複数の業者の対応などを比較せずに決定すると、後で思いもよらぬ事態に遭遇してしまうこともあるかもしれません。事業の期間が長い産業用太陽光発電は、メンテナンスがとても重要になってきます。アフターサポートが充実していない業者に頼んでしまった場合、何かあった時に必要以上の経費がかかる可能性があるので注意しましょう。初期の見積もりで工事費が高くなったとしても、メンテナンス代などのアフターサポートが含まれているのなら、トータルで見た場合には決して高い買い物とは言えない可能性もあります。建設した太陽光発電システムのパフォーマンスは発電量に影響を与えるので、メンテナンスがしっかりしているシステムからは多くの売電金額が期待できます。売電が目的の産業用太陽光発電にとって発電量は最も気にするべきものなので、アフターサポートをきちんとしてくれる業者を積極的に選ぶようにしましょう。
見積もりの段階でメンテナンスなどのアフターケアまでちゃんと算出している業者は確かに良いですが、アフターサポートがあるにもかかわらず異常に安い見積価格を出すところは注意が必要です。なぜなら、太陽光発電において費用を少なく見積もれる部分は太陽電池モジュール(ソーラーパネル)の設置時の費用だからです。太陽光発電は太陽電池モジュール(ソーラーパネル)の設置の仕方によって発電量に差が出るばかりか、雨漏りなどのトラブルの原因にもなります。屋上や屋根の形状に合わせて太陽電池モジュール(ソーラーパネル)の設置を適切に行わなければ、初期費用が低く抑えられても今後20年間の発電量に大きな影響を与えてしまいかねません。太陽電池モジュール(ソーラーパネル)を置く設置架台は、屋上や屋根の形状に合わせて、種類、数量、設置方法などが決められるので、工事費用は決して安くはないということを頭に入れておきましょう。また、工期が極端に短すぎる業者にも同様のことが言えるため注意しましょう。
太陽光発電システムの導入は決して安い買い物ではありません。費用対効果は厳しくチェックする必要があります。最も重要なことは、システム導入後に得られる発電量が導入にかけたコストに見合うものなのかということです。発電量が少なければ設置後20年以内に元を取って利益を生むことは難しいでしょう。また、アフターサービスの体制が整っていたとしても、太陽電池モジュール(ソーラーパネル)の耐久性が低ければ頻繁にメンテナンスをすることになるので、売電で得られる利益は低くなってしまいます。製品やシステムへの補償があり、信頼できる会社の太陽光発電システムかどうかを見積もり時にきちんと確認しましょう。太陽光発電は地球にも優しいエネルギーの在り方のひとつです。導入することで企業イメージの向上にもつながるので、産業用の太陽光発電システムを導入する際には、以上のことを参考にしてみてください。