設置容量 | 38.4kW |
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使用モジュール | FirstSolarモジュール “FS Series4TM FS-4100”×384枚 |
施設 | その他 |
設置場所 | 屋上・屋根 |
新社屋建築にあたり、ZEB(ゼブ:ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の補助金を申請する予定もあり、最初から太陽光発電の設置をすることは決まっていました。当初、建物の設備設計担当者からはシリコン系パネルを提案されていましたが、そもそも、当社では、店舗と工場へ既に化合物系のパネルを設置しており、次も化合物系のパネルを使用すると決めていました。
一番大きい決め手は、15、20年後に想定される “廃棄”を考えてのことです。ファーストソーラー自体は広告等で知り、リサイクルの仕組みが整っていることにも興味を持っていました。その頃、エクソルがファーストソーラーの日本国内販売をすることを知って、問い合わせをしました。
ZEBの補助金自体が、自家消費が前提となっていますので、売電することはそもそも想定していません。今後の期待、会社としての方向性としては、これまでの集中型エネルギーではなく、分散型のエネルギー供給が必要だと考えています。自家発電だけではまかないきれないものについては、当社もエネルギーを購入していますが、やはり、そのエネルギーを使う際にも必要最低限に抑えることを徹底しています。東日本大震災以降、神奈川県も小田原市も、分散型エネルギーの取り組みを積極的に行っています。
BCP(ビーシーピー:事業継続計画)対策ということももちろん念頭においています。かねてより、生産ラインのメインである恵水工場を中心に省エネに取り組み、エネルギーの無駄が無い生産を目指してきました。震災のとき、当社がある小田原の観光客も激減し、その夏頃まで、大きな影響を受けました。扱う製品も生もので、期限のあるものなので、生産をストップしたり、お店を開けることができない時期もありました。また、計画停電の影響もあり、エネルギー問題を実感して考えました。震災をきっかけに、省エネと創エネをセットで考えるようになりました。
太陽光パネルのフレームがないので、凹凸がなく、真っ平できれいだと思いました。色も真っ黒でスタイリッシュで格好いいですし、苦労して設置した甲斐があったなと思いました。
エネルギーについては、10年、20年先のことまで考えて検討すべきだと思います。エネルギーはこれまでの集中型ではなく、分散型に切り替えるべきです。自分のエネルギーは自分で創ることが必要になります。エネルギーを活用していくにあたっては、自然環境にとってより良い活用方法を選択することをおすすめしたいと思います。
当社の新社屋は、省エネから創エネに考え方を拡げてきた当社のエネルギーに対する考えの集大成です。太陽光の設置だけではなく、光ダクトを設置して、自然の光をとりこみ、社内の照明替わりにしたり、また、階段や壁面、床の多くに木材を使用していますが、戦後まもなく植栽されて、伐採の時期がきていても、現代では、なかなか使いみちの少ない、小田原のヒノキを積極的に使用しています。
環境問題、エネルギー問題を中心に計画された建物です。発電したものをその場で使う太陽光エネルギーの地産地消だけではなく、木材についても同じように、地産地消を考えました。
株式会社鈴廣蒲鉾本店
経営管理チーム 財務部 施設技術課長
廣石 仁志 様